ツの古い歌曲《リード》の実質となってるもののような、日々の思想や行為に関連する美しい詩的な原文を、彼はオリヴィエから得たがっていた。聖書の短い断片やインドの詩、宗教的なあるいは道徳的な叙情小曲、自然のちょっとした画幅、恋愛的なあるいは家庭的な情緒など、単純健全な心の人たちのための朝や夕や夜の詩を求めていた。一つの歌曲《リード》には四行から六行くらいの詩句で十分である。もっとも単純な表現でよろしい。巧妙な展聞も精緻《せいち》な和声《ハーモニー》もいらない。君たち耽美《たんび》家の熟達せる技能が何になろう? 君たちは僕の生を愛してほしい。僕を助けて僕の生を愛させてほしい。フランスの日常[#「フランスの日常」に傍点]を、僕の非凡な時[#「非凡な時」に傍点]や平凡な時[#「平凡な時」に傍点]を、僕のために書いてくれたまえ。そして、もっとも明快な旋律的楽句を求めようではないか。現代の多くの音楽家の音楽に見るような、一階級だけの方言にすぎないその芸術的な言葉を、極端に避けようではないか。「芸術家」としてではなく、人間として話すだけの勇気をもたなければいけない。僕たちの父祖がなしたところを見たまえ。
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