馬鹿者どもは皆、危険な人物というよりもむしろ滑稽《こっけい》な人物と言うべきであった。しかしながらただ、彼らの背後には真に価値ある人々が隠れていた。この人々は彼らの支柱となっていて、彼らと同じく――おそらく彼ら以上に――理性の狂信者であった。トルストイはどこかで、宗教や哲学や政治や芸術や科学などを支配してる、かかる「伝染的影響」のことを述べている。「人はかかるばかげた影響の狂愚さを、それから脱した時にしか認めない。それに服従してる間は、いかにもそれを真実だと思って、論議する必要をも考えない。」それはまったく、チューリップにたいする熱愛、妖術《ようじゅつ》者にたいする信仰、文学様式の変態などと同じものだった。――理性の宗教はそういう狂愚の一つだった。最も愚昧《ぐまい》な者にも最も教養ある者にも、議院の有象無象にも大学の最も賢明なるある人々にも、等しく感染していた。そして愚者におけるよりも智者においてさらに危険だった。なぜなら、愚者においては平穏な遅鈍な楽天思想とよく調和して、力をゆるめられていたからである。ところが智者の方においては、その弾力は緊張され、狂信的な悲観思想によって刃が鋭くな
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