はいなかった。しかも、作曲家や批評家など最も音楽にたずさわってる者らが、いつもその数にはいるのでもなかった。真に音楽を愛する音楽家は、フランスにはいたって少ないのだ!
そういうふうにクリストフは考えていた。そして、どこもそのとおりだということ、ドイツにおいてさえ真の音楽家はそうたくさんないということ、芸術において重要なのは、無理解な多衆ではなくて、芸術を愛し矜《ほこ》らかな謙譲をもって芸術に奉仕する少数の者であること、などを彼はみずから考えなかった。そういう少数者を、彼はフランスにおいて見かけなかったのか? 創作家や批評家――フランスがなしたように、現今の作曲家中最も天分ある人々がなしてるように、喧騒《けんそう》を離れて黙々と勉《つと》めてるすぐれた人々、やがてはある新聞雑誌記者に、発見の光栄と味方だと称する光栄とを与えはするが、目下は生涯《しょうがい》闇《やみ》に埋もれている、多くの芸術家――なんらの野心もなく、自分自身のことも顧慮せず、過去のフランスの偉大さを築いている石を、一つずつほじくってる勤勉な学者や、あるいは、自国の音楽教育に身をささげて、来たるべきフランスの偉大さを準備
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