の人達はそれをわざわざ汲《く》みにいったり、野良《のら》の行き帰りに廻り道をして飲みにいったりしました。泉のおいしい水は、いつもふつふつと湧き出していました。静かな日の夕方なんかには、キンショキショキ、キンショキショキ……と、美しい音がどこともなくその辺に聞こえたそうです。



底本:「豊島与志雄童話集」海鳥社
   1990(平成2)年11月27日第1刷発行
入力:kompass
校正:門田裕志、小林繁雄
2006年4月29日作成
青空文庫作成ファイル:
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