A会わねえ。だがかまわねえ、さあおもしれえぞ。みな戦おうじゃねえか、もう圧制はたくさんだ!」
その時、横を通ってる国民兵のある槍騎兵《そうきへい》の馬が倒れたので、ガヴローシュはピストルを下に置き、その男を起こしてやり、また彼に手伝って馬を起こしてやった。それから彼はまたピストルを拾い上げ、進行を続けた。
トリニー街まで来ると、すべてが静かでひっそりとしていた。マレーに固有なその平然さは、周囲の広い喧騒《けんそう》の中にあってきわ立っていた。四人の上《かみ》さんたちが、ある家の戸口で話し合っていた。スコットランドには三人組みの魔女がいるが([#ここから割り注]訳者注 セークスピアの戯曲「マクベス」中に出てきて、マクベスが未来国王となることを予言した女たち[#ここで割り注終わり])、パリーには四人組みの上さんがいる。「汝は王たるべし」という言葉は、アルムイールの荒野でマクベスに語られたように、ボードアィエの四辻《よつつじ》で痛ましげにボナパルトに投げつけられたであろう。どちらもほとんど同じ不吉な言葉である。
しかしトリニー街の上さんたちは、自分らの方のことしか頭に置いていなかった。それは三人の門番の女と、籠《かご》を負い鉤杖《かぎづえ》を持った屑拾《くずひろ》いの女とであった。
彼女らは四人とも老年の四すみに立ってるがようだった。老年の四すみとは、凋落《ちょうらく》と腐朽と零落と悲哀とである。
屑屋は卑下していた。この野天の仲間のうちでは、屑屋は頭を下げ門番は上に立つ。それは門番の手中にある掃きだめからくる関係であって、そこにいい物が多いか少ないかはまったく塵芥《ごみ》を掃き寄せる者の手加減による。箒《ほうき》の使い方にも親切さがあるものである。
この屑拾《くずひろ》いの女は、恩を被ってるものと見えて、三人の門番の女に、何とも知れぬ笑顔を作っていた。彼女らは次のようなことを話していた。
「それじゃ、お前さんとこの猫《ねこ》はいつも気むずかしいんだね。」
「そうさ、猫はどうせ犬の敵だものね。苦情を言うのは犬の方だよ。」
「それから私たちもさ。」
「だがね、猫の蚤《のみ》は人間にはたからないっていうじゃないか。」
「犬っていえば、厄介などころか、ほんとにあぶないよ。何でもあまり犬が多くなって新聞に書き立てられた年があったよ。テュイルリーの御殿に大きな羊がいてロ
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