vに傍点]。」ジューヌール街、ガドラン街、モントルグイュ街、マンダル街などには、旗を打ち振ってる群れが現われた。旗には金文字で数字づきの区隊[#「区隊」に傍点]という語が見えていた。それらの旗の一つは、ほとんど赤と青ばかりで、白はその間に小さく見えないくらいにはいってるだけだった([#ここから割り注]訳者注 三色旗の白は王家の章、赤と青はパリー市の章[#ここで割り注終わり])。
 サン・マルタン大通りの兵器廠《へいきしょう》は略奪され、次にボーブール街とミシェル・ル・コント街とタンプル街とで三軒の武器商店が略奪された。数分間のうちに、たいてい皆二連発の二百三十の小銃と、六十四のサーベルと、八十三のピストルを、無数の群集が奪って持ち出した。なるべく多くの者に武装させるため、ある者は銃だけを取り、ある者は銃の剣だけを取った。
 グレーヴ河岸と向かい合った所では、火繩銃《ひなわじゅう》を持った青年らが、女ばかりの家に陣取って発火した。そのひとりは燧金銃《ひうちがねじゅう》を持っていた。彼らは呼鈴《ベル》を鳴らし、家の中にはいり、それから弾薬を作りはじめた。女らの一人はこう話した。「私は弾薬とはどんなものだか知らなかったのですが[#「私は弾薬とはどんなものだか知らなかったのですが」に傍点]、夫がそれを教えてくれました[#「夫がそれを教えてくれました」に傍点]。」
 ヴィエイユ・オードリエット街では、一群の者がある古物商の店に闖入《ちんにゅう》し、トルコの刃や武器を奪った。
 銃殺された石工の死体が、ペルル街に横たわっていた。
 それからまた、セーヌの右岸左岸、河岸通り、大通り、ラタン街区、市場《いちば》町などには、労働者や学生や区隊の者など息を切らしてる人々が、宣言書を読み、「武器を取れ!」と叫び、街燈をこわし、馬車の馬を解き放し、街路の舗石《しきいし》をめくり、人家の戸を打ち破り、樹木を根こぎにし、窖《あなぐら》の中をさがし回り、樽《たる》をころがし舗石や漆喰《しっくい》や家具や板などを積み重ねて、防寨《ぼうさい》を作っていた。
 人々は市民にも助力を強請した。また女ばかりの家にはいり込み、不在の夫のサーベルや銃を奪い、白墨でその戸口に、「武器徴発済[#「武器徴発済」に傍点]」と書きつけた。ある者は銃とサーベルの受領証に「名前」を署名し、「明日区役所に取りにこい[#「明日
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