カ月過ぎた今日では、彼女の髪は灰色になり、彼の髪はまっ白になっていた。
サンプリス修道女は彼とともにはいってきていなかった。彼は寝台のそばに立ちながら、あたかも室の中にだれかがいてそれに沈黙を命ずるかのように、指を口にあてていた。
ファンティーヌは目を開いた。彼女は彼を見た。そしてほほえみながら静かに言った。
「あの、コゼットは?」
二 楽しきファンティーヌ
ファンティーヌはびっくりした身振りも喜びの身振りもしなかった。彼女は喜びそのものであった。「あの、コゼットは?」というその簡単な問いは、深い信念と確信とをもって、不安も疑念もまったくなしに発せられたので、マドレーヌ氏はそれに答うべき言葉が見つからなかった。ファンティーヌは続けて言った。
「私はあなたがそこにいらっしゃるのを知っていました。私は眠っておりましたが、あなたを見ていました。もう長い間見ていました。夜通し私は目であなたの後《あと》をつけていました。あなたは栄光に包まれて、あなたのまわりにはあらゆる天の人たちがいました。」
彼は十字架像の方に目を上げた。
「ですが、」と彼女は言った、「どこにコゼットはい
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