もって神の摂理にふれ、おのれの腕のうちにそれを、肌に感じ得る神をいだく。これ実にいかなる喜悦であろうぞ! その心は、その人知れぬ聖《きよ》き花は、神秘のうちにひらく。それはあらゆる光明にもまさった影である。天使の魂がそこにある、常にある。もしそれが立ち去ることあっても、また再び帰りきたらんがためにである。それは夢のごとくに姿を消し、現実のごとくに再び現われる。暖きものの近づくのを感ずる時にはもはや、それがそこにある。清朗と喜悦と恍惚《こうこつ》とに人は満たされる。暗夜のうちにおける輝きである。そして数々の細かな心尽し。些細《ささい》なものもその空虚のうちにあっては巨大となる。得も言えぬ女声の音調は汝を揺籃《ゆりかご》に揺すり、汝のために消え失せし世界を補う。魂をもって愛撫せらるるのである。何物も見えないが、しかし鍾愛《しょうあい》せられてるのを感ずる。それは実に暗黒の楽園である。
 ビヤンヴニュ閣下は、かくのごとき楽園より他の天国へと逝《い》ったのであった。
 彼の死の報知は、モントルイュ・スュール・メールの地方新聞にも転載された。マドレーヌ氏はその翌日から、黒の喪服をつけ帽子に黒紗を
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