きのこがはえていました。けれどもうお爺さんは、歌っても踊っても、決して出て来ませんでした。
 ただきのこだけは、その雑木林《ぞうきばやし》の中に、毎朝一面にはえていました。それを子供達は、「お山の爺さんありがとう!」と言いながら、一つひとつ取りました。いつも持ちきれないほどたくさんありました。



底本:「豊島与志雄童話集」海鳥社
   1990(平成2)年11月27日第1刷発行
入力:kompass
校正:門田裕志、小林繁雄
2006年4月29日作成
青空文庫作成ファイル:
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