すが。
神様が実にうまく工夫して、地べたにつく度に前より十倍も強くなるという、おそろしい巨人をおつくりになっていましたが、ハーキュリーズがそれに出くわしたのは、たしかにこの旅行の時でした。その巨人の名前は、アンティーアスといいました。そんな男と闘《たたか》うのは大変面倒なことだということは、君達にもよく分るでしょう。というのは、彼は相手がそっとしておいてくれるよりも、度々なぐり倒してくれた方が、一層強く、きつく、武器を使うことも上手になって、起き上れるというわけなんですから。そんなわけで、ハーキュリーズが彼の棍棒で、その巨人をひどくなぐり倒せばなぐり倒すほど、勝つ見込みがなくなってくるような気がしました。僕はちょうどそんな風に、やっつけられればやっつけられるほど、一層いきり立って来るような人と議論をしたことは時々あるが、なぐり合いをして見たことはありません。さて、ハーキュリーズが、これならばこの喧嘩に勝てるということが分ったのは、アンティーアスの足が地べたにつかないようにさし上げて、そのまま彼を締めて締めて締め抜いて、とうとうおしまいに、彼の大きなからだから、力をすっかりしぼり出して
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