、独立戦争記念のバンカ・ヒルの碑が積めるほどの積木、九柱戯の道具、いろんなボール、うなり独楽《ごま》、羽子板、輪投遊びの棒、跳縄《とびなわ》、その他一々ここに書き切れないほど、いいものが沢山あった。しかし、子供達はそんなもののすべてよりも、吹雪の方がもっと好きだった。それは明日から、冬中ずっと、元気に面白くあそべることを思わせたから。橇《そり》で方々乗りまわしたり、丘の上から谷へ滑っておりたり、いろんな雪達磨を作ったり、雪の砦《とりで》を築いたり、雪合戦をしたりすることが出来るのだ!
 だから子供達は吹雪を祝福して、それがだんだんひどくなるのを見て喜び、門から玄関につづく並木道に長い吹溜《ふきだまり》が出来て、それがもう誰の頭よりも高くなったのを、如何にも楽しみらしく見守るのであった。
『ああ、わたし達は春まで閉じ込められるんだねえ!』と彼等はこの上もなく喜んで叫んだ。『お家が高すぎて、雪にすっかり埋まってしまわないなんて、つまんないなあ! 向うの小さな赤い家は、軒まで埋まってしまうだろう。』
『このお馬鹿さん達、この上雪に降られてどうしようというの?』とユースタスは尋ねた。彼は走り読みしていた何かの小説に厭《あ》きて、ぶらぶらと遊戯室へはいって来たのだった。『折角僕が冬中やれると思っていたスケートも、これじゃ出来なくなってしまうし、雪のいたずらもこれ位で沢山だよ。もうわれわれは四月まで湖も見られないよ。僕は今日初めてあそこへ行って見ようと思ったのに! プリムロウズ、僕が気の毒だとは思わない?』
『おう、本当にお気の毒だわ!』とプリムロウズは、笑いながら答えた。『しかしあなたを慰めるために、あたし達、あなたが玄関や、シャドウの谷川の窪地でして下さったような、昔のお話をまた聞かしていただきましょう。木の実がなっていたり、お天気がとてもよかったりする時分よりも、なんにもすることがない今みたいな時の方が、お話がよけいに面白いと思うわ。』
 そこで、ペリウィンクルや、クロウヴァや、スウィート・ファーンや、そのほかまだタングルウッドにいるきょうだいや、いとこ達の三四人が、ユースタスのまわりに集まって来て、熱心にお話をせがんだ。その大学生はあくびをして、のびをして、それから子供達がとても感心して見ている前で、椅子の上を三度前後に跳び越えた。彼が子供達に説明したところによると、頭
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