を見合せて、これが此世の名残かと、言葉はなくてもろともに、涙にくるゝ四の袖、吹浦島の岸による、浪も二人の身のはてを、かなしむごとき風情なり。
    ×         ×         ×
 其翌々日仙台東北新聞の第三ページには、てもめずらしき文学者の心中といへる、いと長々しき雑報を見るにいたれりとぞ。



底本:「田澤いなぶね作品集」無明舎出版
   1996(平成8)年9月10日初版発行
底本の親本:「田澤稻舟全集 全」東北出版企画
   1988年2月25日初版第1刷発行
初出:「文芸倶楽部」
   1896(明治29)年11月
※「うつかり」と「うっかり」の混在は底本通りです。
入力:もりみつじゅんじ
校正:志田火路司
2002年2月4日公開
2009年9月17日修正
青空文庫作成ファイル:
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