官諸君が三人、駈けつけて来る。あの馬丁君も、一緒に足並を揃えて来るのは、嬉しいじゃないかね。そこで彼でもない、いやあの面白い花婿君でもない――まあいずれこの諸君は、今朝の一冒険で、一生を棒に振ったと云うわけかな。それからワトソン君、君は医者の資格で、一つあのスミス嬢を見舞ってみてはどうかね。そしてもしもう御気分がすっかりいいのなら、お母さんのところに、送ってあげようと云ってみたまえ。またもしまだ気分が癒《なお》らないと云うようなら、ミドランドの若い電気技師に、電報を打とうと謎をかけてやれば、もう即坐に全快だろうよ。それから君、カラザース君だが、君は最初の悪い計画に対して参与した罪を償うためには、最善のことをしたと、僕は考える。さあ、名刺をあげておこう。もし僕の立証が、法廷で君に役だつようであったら、それは君の御自由にやってくれてよろしいよ」
たぶん読者諸君も、よく解ってくれるだろうと思うが、この全く休み無い立て続けの大活動の中で、事件の詳報をもたらすと云うことは、それはたしかに世の好奇心に大いに期待することには相違ないが、しかし私にとってはしばしば困難なことであった。それぞれの事件
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