鳴で鳴り響いたに違いない、と私は思った。そして、そう思っただけでさえ、その悲鳴がまだ鳴り響いているように思われてならなかった。
 私たちは今や茂みの縁に来た。
「ばんざあい、兄弟、みんな一緒に行くんだぜ!」とメリーが叫んだ。そして先頭にいる者が急に駆け出した。
 と、突然、十ヤードと先へ行かないうちに、彼等が立ち止ったのが私たちに見えた。低い叫び声が起った。シルヴァーは、魔に憑かれた者のように※[#「木+裃のつくり」、第3水準1−85−66]杖の足で土をはね跳ばしながら、歩む速さを二倍にした。そして次の瞬間には彼と私もぴたりと停った。
 私たちの前には大きな掘った穴があった。側面が落ち込んでいて、底に草が萌え出ているところからみると、ごく昨今に掘ったものではなかった。この穴の中には、二つに折れた鶴嘴《つるはし》の柄《え》と、幾つもの荷箱の板が散らかっていた。その板の一つに、海象《ウォルラス》号という名――フリントの船の名――が、烙鉄で烙印を押してあるのを、私は見た。
 すべてが疑う余地のないほど明白であった。隠してあった物は見つけられて奪われてしまったのだ。七十万ポンドはなくなってしま
前へ 次へ
全412ページ中374ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
スティーブンソン ロバート・ルイス の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング