船《ふるぶね》はいねえんさ。あの時のみんなみてえなぽかんと間抜面《まぬけづら》をした阿呆どもは見たことがねえな。いや、この己が中でも一番ぽかんとしてたって言っても、間違えなしさ。『ところで、相談をしようじゃないか。』ってお医者は言うんだ。己たちは相談をした。あの人と己とな。それで、己たちはここにいることになったって訳さ。食物も、ブランディーも、丸太小屋も、お前たちが気を利かして切っといてくれた薪も、まあ言わばこの結構な舟を檣頭横桁《クロスツリーズ》から内竜骨《ケルソン》までそっくり、貰ったんだ。あの人たちの方は、てくてく出て行った。どこにいるのか己にゃわからねえ。」
彼は再び静かにパイプを吸った。
「それからな、」と彼は話し続けた。「お前がその頭に、お前もその条約の中へ入ってるんだと思いこむといけねえから、一番おしめえに聞いた言葉を聞かしてやろう。『あんた方《がた》は何人で立退《たちの》くんですかい?』と己が言ったんだ。すると、『四人だ。』ってあの人は言うのさ。――『四人で、その中《うち》一人は負傷してる。あの子供は、どこにいるのか俺《わし》は知らん、畜生。またどこにいようと大して構
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