ライエンは今じゃ別の世界にいるんだ。そしてそこから多分僕たちを見ているだろうよ。」
「ああ!」と彼は言った。「やれやれ、そいつぁいけねえ、――そいじゃ人を殺すなんて暇潰しみてえなもんだなあ。だが、己のこれまでの経験じゃあ、魂なんてものは大《てえ》したもんじゃねえ。己は魂って奴を相手に一か八かやってみてやろうよ、ジム。ところで、お前はもう存分にしゃべったんだから、一つ頼みがあるんだ。お前、あの船室《ケビン》へ降りて行って、己にあれを――ええと、あのう――えい、畜生! 名が思い出せねえぞ」うん、そうそう、お前、葡萄酒を一罎《ひとびん》、持って来てくんねえか、ジム。このブランディーは己にゃ強過ぎて頭へ来るんでね。」
 ところで、舵手のこうして口籠ったのはちょっと不自然に思われた。それに、ブランディーよりも葡萄酒の方がよいと言うのに至っては、私は全然ほんとうにしなかった。話全体が口実なのだ。彼は私に甲板から去らせたいのだ。――それだけは明かだった。けれども、どういう目的でそうするのか、私にはどうしても想像がつかなかった。彼の眼は決して私の眼と会わなかった。
 その眼は、空を見上げたり、死んでい
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