たことがあって、こういう文句を覚えこんだ。――
[#ここから3字下げ]
「七十五人で船出をしたが、
生き残ったはただ一人《ひとり》。」
[#ここで字下げ終わり]
そして、これは、その朝あれほど無残にも死傷者を出した連中にとっては、幾らか陰惨にも適切過ぎる唄だと、私は思った。しかし、実際、私の見たところから考えると、こういう海賊たちは皆、彼等が船を走らせる海と同じように無神経なものだったのだ。
やがて風が吹いて来た。スクーナー船は闇の中で斜に動いて近づいて来た。私は錨索がもう一度弛んだのを感じたので、ぐっと力をこめて残りの縄をぷっつりと切った。
風は革舟にはほんの僅かしか作用を及ぼさなかったので、私はもう少しでヒスパニオーラ号の船首にぶっつけられようとした。同時にそのスクーナー船は後端を中心にして潮流を横切ってゆっくりと※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]って両端が今までと反対の位置になりかけた。
私は今にも革舟が顛覆するかと思ったので、死物狂いになって努力した。そして革舟を直接に押し離すことが出来ないとわかったので、今度は船尾の方へまっすぐに押し進んで行った。ついに私
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