長は叫んだ。
「有難うございます。」とジョイスはやはり穏かな慇懃な調子で答えた。
その後しばらくは何事もなかった。が、今の話で私たちみんなは気をひきしめて、耳も眼も緊張させていた。――銃手は銃を両手で構え、船長は口を堅く結び、顔を顰《しか》めて、小屋の真中に突っ立った。
そうして数秒たつと、突然ジョイスが銃を手早く上げて発砲した。その銃声が消え去るか去らないに、外からはそれに応じてばらばらな一斉射撃が起り、囲柵のあらゆる側から引続いて一弾また一弾と飛んで来た。数発の弾丸が丸太小屋に中《あた》ったが、一発も内へは入らなかった。そして、煙が消え去った時には、柵壁も、その周りの森も、前と同じようにひっそりとしてだれもいなかった。枝一本揺れないし、銃身がぴかりと閃いて敵のいることを示しもしなかった。
「君の狙った奴に中ったか?」と船長が尋ねた。
「いいえ。」とジョイスは答えた。「中らなかったと思います。」
「それでもほんとのことを言うのはまだしも結構。」とスモレット船長が呟いた。「ホーキンズ、この人の鉄砲に弾丸《たま》を籠めてやりなさい。先生、あなたの側には何発ほど来ましたか?」
「はっき
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