だ》った男なのである。
「ハンズ君、」と彼は言った。「ここに我々二人は銘々一対ずつのピストルを持っている。もし君ら六人の中のだれでもちょっとでも信号めいたことをすれば、その者は命《いのち》をなくするんだぞ。」
 彼等は大層びっくりした。そして、ちょっと相談してから、一人残らず船首の昇降口を転《ころ》げ込んで下りて行った。疑いもなく、吾々を背後から不意打しようと思ったのであろう。ところが、円材の出ている廊下にレッドルースが彼等を待ち構えているのを見ると、彼等は直ちに方向を転じて、一人の頭が再び甲板にひょいと出た。
「降りろ、畜生!」と船長が叫んだ。
 するとその頭はまたひょいとひっこんでしまった。そして、しばらくは、その六人のごく意気地のない水夫どもは何の音も立てなかった。
 この時分までには、吾々は、手当り次第の物を抛り込んで、小形端艇に積めるだけ積み込んでしまった。ジョイスと私とは船尾窓から抜け出して、再び岸へ向って進み、オールの動く限り速く一所懸命に漕いだ。
 こうして二度もやって来たので、岸にいる見張人はかなり驚いた。「リリバリアロー」はまた止んだ。そして、吾々がちょうど例の小さ
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