さん、点々と散在していた。この空地の向側には、例の山の一つが立っていて、二つの奇怪な峨々《がが》たる峯をぎらぎらと太陽に輝かせていた。
 私は今初めて探検の喜びを感じた。この島は無人島であった。船の仲間は後にして来たし、行手には口の利けない獣と鳥の他《ほか》には何一つ生物《いきもの》がいなかった。私は樹々の間をここかしこと歩き※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]った。あちこちに私の知らぬ花の咲いた植物があった。あちこちに蛇が見えたが、その中の一匹は岩棚から鎌首をあげて、独楽《こま》の※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]るような音を立てながら私を睨んでいた。それが有毒な敵で、その音こそあの有名ながらがら蛇の音だとは、私は少しも思ってもみなかった。
 それから、あの樫のような樹――鮮色樫あるいは常緑樫という名だということを後になって聞いた――の長く続いた茂みのところへやって来た。その樹は黒苺《くろいちご》のように砂に沿うて低く生えていて、大枝は妙にねじれ、葉は藁屋根のようにこんもりしていた。この茂みは一つの砂丘の頂から下へ延びていて、下へゆくにつれて拡がりもし高くもなり、蘆の生
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