そこで暗がりの中に坐っていると、波の音やら船の動揺やらで、つい寝込んだか、それとも眠りかけようとしていたか、その時、だれか重い男がすぐ近くにどしんと腰を下した。その男が肩を樽にもたせかけると樽がぐらぐらと揺れたので、私がもう少しのことで跳び上ろうとした時、その男がしゃべり始めた。それはシルヴァーの声だった。そして、私は一ダースの言葉も聞かないうちに、どんなことがあっても出てゆくどころではなく、極度の恐怖と好奇心とで、ぶるぶる震えながらも耳を傾けて、そこに蹲った。というのは、その一ダースの言葉から、私は船中にいるすべての正直な人たちの生命が自分一人に懸っていることを知ったからである。

     第十一章 林檎樽の中で聞いた話

「いいや、己じゃねえ。」とシルヴァーが言った。「フリントが船長《せんちょ》だったんだ。己は、こんな木の脚をついてるんで、按針手《クォータマスター》だったよ。己が脚をなくした時の片舷《かたがわ》からの一斉射撃で、ピューの奴めも眼玉をなくしたのさ。己の脚を切ってくれたのは上手な外科医だった、――大学なんかもみんなすまして、――ラテン語もどっさり知ってたし、その他《ほ
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