の気遣っていたより以上に、厄介な人間になった。水夫たちには少しも睨みが利かず、部下の者は彼に対して勝手なことをした。しかし、悪いのは決してそれだけではなかった。航海に出てから一二日たつと、彼は、眼をとろんとさせ、頬を赤くし、口を吃《ども》らせ、その他の酔っている徴候も示しながら、甲板へ出て来出したのである。幾度も彼は恥をかいて下へ行けと命ぜられた。時には自分で転《ころ》んで怪我《けが》をしたり、時には一日中あの船室昇降口室《コムパニヨン》の片側にある自分の小さい寝床の中に横になっていたり、そうかと思うと、時には、一二日の間はほとんど素面《しらふ》でいて自分の仕事を少くとも普通にやっていることもあった。
 一方、彼がどこで酒を手に入れるのか、私たちにはどうしてもわからなかった。それは船での謎だった。私たちはずいぶん彼に注意していたけれども、少しもそれを解くことが出来なかった。そして、面と向って彼に尋ねれば、酔っている時には彼はただ笑っているばかりだったし、素面の時には、水の他《ほか》は何もついぞ飲んだことがないと真面目《まじめ》くさって否定するのだった。
 彼は副船長として役に立たず、水
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