の変身の前知らせの身ぶるいにおそわれるのであった。ことに、私が眠るか、または椅子にかけたままちょっとうとうとしてさえ、目をさました時には必ずハイドになっていた。この絶えずさし迫っている運命に圧迫され、また実際、人間には不可能と思われるほどの不眠におちいって、私は、自分自身の姿をしていても、興奮のために消耗し尽された人間になり、身も心も力なく衰えて、ただもう自分の分身に対する恐怖という一つの思いだけに心を奪われていた。しかし、眠った時とか、薬の効能が消えてしまった時とかには、私はいきなり、なんの手数もかけずに(なぜなら変身の苦痛は日毎に少なくなってきていたので)、恐怖の幻影に充ちた空想と、理由のない憎悪で沸きたつ心と、荒れくるう生命力とを容れるにしてはそう強くもなさそうな体との持主になってしまうのであった。ハイドのいろいろの能力はジーキルが衰弱するのと並行してますます強くなってくるように思われた。そして、確かにいまやこの二人を仲違いさせている憎悪は両方とも同じように強いものであった。ジーキルの場合には、それは生命の本能からくるものだった。彼は今では、意識現象のある部分を自分と共有していて
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