るももの凄くなったので、私は彼が死にはしまいか、また気が狂いはしまいかと驚いたほどであった。
「まあ、気を落着けなさい、」と私は言った。
 彼は私に恐ろしい微笑を向けた。そして捨鉢の決心を固めたかのように、敷布を引き除けた。その中身を見ると、彼はひどく安心したらしく、大きなしゃくりあげるような声を出したので、私はびっくりして坐ったまま身動きもできなくなった。次の瞬間には、もうよほど落ちついた声になって、「メートル・グラスがありますか?」と彼は尋ねた。
 私はやっとのことで座席から立ち上り、彼の求めるものを渡してやった。
 彼はにっこり頷いて礼を言い、あの赤色のチンキを数滴、分量をはかって入れ、それに一包みの散薬を加えた。最初は赤味を帯びた色であったこの混合物は、結晶塩が溶けるにつれて、色が鮮やかになり、ぶつぶつと音を立てて泡立ち、少量の水蒸気を発散しだした。と同時に、その沸騰が止んで、その化合物は暗紫色にかわり、それがまた前よりは少しずつ薄い緑色に色があせていった。こういう変化を鋭い目で見つめていた私の訪問者は、にやりと笑って、メートル・グラスをテーブルの上に置き、それから振り向いて、
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