奥様の薔薇と似てゐることに由つて、この光も香もない一冊をお受け下さいまし。
 永い年月に草稿が失はれたので是れに収め得なかつたもの、また意識して省いたものが併せて二百篇もあらうと思ひます。今日までの作を総べて整理して一冊にしたと云ふ意味で「全集」の名を附けました。制作の年代が既に自分にも分らなくなつてゐるものが多いので、ほぼ似寄つた心情のものを類聚して篇を分ちました。統一の無いのはわたくしの心の姿として御覧を願ひます。
 山下新太郎先生が装幀のお筆を執つて下さいましたことは、奥様も、他の友人達も、一般の読者達も、共に喜んで下さいますことと思ひます。

[#地から3字上げ]與謝野晶子

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    装幀 山下新太郎先生

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晶子詩篇全集目次

自序
雲片片(小曲五十六篇)
[#ここから2段組]
  草と人
  鼠
  賀川豐彦さん
  人に答へて
  晩秋の草
  書斎
  我友
  恋
  己が路
  また人に
  車の跡
  繋縛
  帰途
  拍子木
  或夜
  堀口大學さんの詩
  岬
  静浦
  牡丹
  弓
  秋思
  園中
  人知らず
  飛行船
  柳
  易者に
  甥
  花を見上げて
  我家の四男
  正月
  唯一の問
  秋の朝
  秋の心
  今宵の心
  我歌
  憎む
  悲しければ
  緋目高
  涼夜
  卑怯
  水楼にて
  批評
  過ぎし日
  春風
  或人の扇に
  桃の花
  杯
  日和山
  春草
  二月の雨
  秋の柳
  冬のたそがれ
  惜しき頸輪
  思は長し
  蝶
  欲望
[#ここで段組終わり]
小鳥の巣(押韻小曲五十九篇)
夢と現実(雑詩四十篇)
[#ここから2段組]
  明日
  肖像[#「肖像」は底本では「肖像画」]
  読後
  紅い夢
  アウギユスト
  産室の夜明
  颱風
  冬が始まる
  木下杢太郎さんの顔
  母ごころ
  我子等よ
  親として
  正月
  大きな黒い手
  絵師よ
  戦争
  歌はどうして作る
  新しい人人
  黒猫
  曲馬の馬
  夜の声
  自問自答
  我が泣く日
  伊香保の街
  市に住む木魂
  M氏に
  詩に就
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