国情とに痛切な、合理的勇断的な教育上の改革意見を聴く事が出来ません。世界の尊敬に価するような教育上の対現代的見識も持たずに――即ち基礎となる正大な見識も持たずに――高等学校を甲と乙と二種設ける程度の、姑息な学制の改変に留まるような教育会議に、私たちは大した信頼が払われましょうか。これに対して実力ある抗議が教育界から起らないのを見ても、教育者たちの平生の不平や改革意見が甚だ頼もしくない、微温な、物蔭の泣言や大言壮語に過ぎなくなってしまいます。(一九一八年一月)
[#地より1字上げ](『太陽』一九一八年一月)
底本:「与謝野晶子評論集」岩波文庫、岩波書店
1985(昭和60)年8月16日初版発行
1994(平成6年)年6月6日10刷発行
底本の親本:「若き友へ」白水社
1918(大正7)年5月初版発行
入力:Nana ohbe
校正:門田裕志
2002年5月14日作成
2003年5月18日修正
青空文庫ファイル:
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