江南処処栽《たれかかうなんにむかひてしよしよにうゑたる》」又云ふ。「自去何郎無好詠《からうのさりしよりかうえいなく》 東風愁寂幾回開《とうふうしうせきいくくわいかひらく》」真に梅花は仙人の令嬢か、金持の隠居の囲ひものに似たり。(後者は永井荷風氏の比喩なり。必しも前者と矛盾するものにあらず)予の文に至らずとせば、斯る美人に対する感慨を想へ。更に又汝の感慨にして唯ほれぼれとするのみなりとせば、已んぬるかな、汝も流俗のみ、済度す可からざる乾屎※[#「木+厥」、第3水準1−86−15]のみ。



底本:「芥川龍之介全集 第十巻」岩波書店
   1996(平成8)年8月8日発行
入力:もりみつじゅんじ
校正:松永正敏
2002年5月17日作成
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