さうだ。祈祷をなすつたり、珠数に接吻したりしていらつしやればよかつたのだ。」
少年は老人の古びた青天鵞絨を見た。そしてそれが薔薇と百合との花粉に掩はれてゐるのを見た。そして彼がそれを見てゐるうちに、窓につみ上げてある青葉の枝に止つてゐた一羽の鶫《つぐみ》が唄ひ始めた。
底本:「芥川龍之介全集 第一巻」岩波書店
1995(平成7)年11月8日発行
底本の親本:「梅・馬・鶯」新潮社
1926(大正15)年12月25日発行
初出:「新思潮」第一巻第五号
1914(大正3)年6月1日発行
※初出時の表題は、「春の心臓――W.B.Yeats――」。署名は、押川隆之介(目次では、柳川隆之介)。
入力:もりみつじゅんじ
校正:j.utiyama
1998年11月30日公開
2004年3月7日修正
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