》鵺《ぬえ》の如しと言はざるべからず。今日《こんにち》は唯|一游亭《いちいうてい》、魚眠洞等《ぎよみんどうら》と閑《ひま》に俳諧を愛するのみ。俳壇のことなどはとんと知らず。又格別知らんとも思はず。たまに短尺《たんじやく》など送つて句を書けと云ふ人あれど、短尺だけ恬然《てんぜん》ととりつ離しにして未《いま》だ嘗《かつて》書いたことなし。この俳壇の門外漢たることだけは今後も永久に変らざらん乎《か》。次手《ついで》を以て前掲の諸家の外《ほか》にも、碧梧桐《へきごどう》、鬼城《きじやう》、蛇笏《だこつ》、天郎《てんらう》、白峯《はくほう》等の諸家の句にも恩を受けたることを記《しる》しおかん。白峯と言ふは「ホトトギス」にやはり二三句づつ載りし人なり。
[#地から1字上げ](大正十三年)
底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房
1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行
1979(昭和54)年4月10日初版第11刷発行
入力:土屋隆
校正:浅原庸子
2007年4月13日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全2ページ中2ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
芥川 竜之介 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング