分は捨てゝしまつた。
そして去年の五月頃から、詩の数から言へば秋になつてから今年の一月までに八十余編の詩作をして六十編余の詩を発表した。識者はこの私の詩を見てゐて呉れるものと自分は思つてゐる。だが、私はこれらの評言を待つてゐるよりも、もつとよい詩を書かなければならないと思つてゐる。一生懸命になつてゐなければ、ますます淋しくなるばかりだ。
×
「色ガラスの街」以後の詩を集めて、この五月頃に「電燈装飾」といふ詩集にして出版したいと思つてゐたが、去年の暮れに男の子が生れたので、この希望は中止しなければならなくなつた。機会を得て、この冬か来春に私のこの希望をとげたいと思つてゐる。
[#地付き](亜28[#「28」は縦中横]号 昭和2年3月発行)
底本:「尾形亀之助詩集」現代詩文庫、思潮社
1975(昭和50)年6月10日初版第1刷
1980(昭和55)年10月1日第3刷
初出:「亜 28号」
1927(昭和2年)3月発行
入力:高柳典子
校正:泉井小太郎
2008年4月15日作成
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