て、天窓から様子を見ていたのでした。彼の背後《うしろ》には、彼と同じにこの冒険に夢中になっている人が、彼を手伝うためにひかえておりました。彼は石盤瓦《スレエト》の上に腹這いになって、天窓から、折角の饗宴がめちゃめちゃにされるところも、ちゃんと見ていました。で彼は、セエラが疲れはててぐっすり寝こんでしまったのを知ると、火を細くした燈籠《カンテラ》を持って、そっとセエラの部屋に忍びこみ、助手が天窓の外からさし出す品を、中で受け取ったのでした。セエラが寝ながらちょっと身動きした時などは、ラム・ダスは燈籠《カンテラ》の火を隠して、床の上に平たく身を伏せたりしました。――子供達は、後から後から質問してこれだけのこと――いやまだいろいろのことを、カリスフォド小父さんから、聞き出したのでした。
「私、ほんとにうれしいわ。」と、セエラはいいました。「私のお友達が小父さんだったのだと思うと、うれしくてたまらないわ。」
セエラと小父さんとは、たちまち非常な仲よしになりました。二人はいろいろのことで、不思議にしっくりと気が合うのでした。印度紳士は、今までにこんなの気の合う人とめぐりあったことはありませんでした。一月とたたぬうち、彼は、カアマイクル氏が予言したように、まったく別人のようになりました。紳士はいつも愉快そうで、気がひきたっているようでした。あんなに重荷にしていた財産も、今は持っていてよかったと思っていました。まだまだセエラのためにしてやることは、いくらでもあるのです。二人は戯談《じょうだん》に、紳士を魔法使だということにしていました。で、彼はすっかり魔法使になりすまして、何かセエラを吃驚《びっくり》させるようなことばかり考えていました。セエラはふと部屋の中に、美しい花が咲いているのを見つけたこともありました。と思うと、また枕の下から思いもつかなかったような小さな贈物が出て来ました。ある晩のこと、セエラが小父さんと坐っていると、ふと戸の外に、強い前脚で戸を掻くような音がしました。何かと思って、セエラが戸を開けてみますと、大きな犬――見事なロシアの猪狩犬《ボアハウンド》が立っていました。しかも、金銀で造った首輪には、次のような字が、浮き上っていました。
『我名はボリス。プリンセス・セエラの僕《しもべ》。』
印度紳士の一番好んだのは、襤褸を着た宮様《プリンセス》の思い出でした。大
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