未納 そうだわ、きっとそうよ、大事にしなくちゃァ……。
鉄風 神経過労だね、すると。
諏訪 後生だから一々名前をつけないで下さいな。(立ち上る。部屋の隅へ行ってレコードをかける。低い音)あなたの話を聞いてるとよけい苛《い》ら苛《い》らするわよ。
未納 妾、素敵なタンゴ、憶えて来たんだがなあ。
鉄風 妙なレヴュ小屋をうろつくのは少し控えて貰いたいものだ。
未納 憚《はばか》り……だわ。
鉄風 それにお前のは踊りとは言えんよ。あれは体操だ。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] まあ、ひどい。
未納 いいわ。自分が巧く踊れないもんで、仲間が欲しいんだわ。
[#ここから3字下げ]
間。
[#ここで字下げ終わり]
未納 (一寸レコードについて口の中で唄う)母さん、昨晩言った話ね。
諏訪 (警戒して)え。
未納 あれ、ちょっと止《や》めにしといてね。
諏訪 どうして。
未納 どうしてってことないの。でも、考えてみたいの。
諏訪 だって、考えた上のことなんでしょ。
未納 も一度よ、も一度ね。妾うっかりしていたことがあるの。
鉄風 しかし、それは少し遅過ぎたようだね。
未納 (一本喰わ
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