#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] 妾、あの人に、いけなかったわ。ほんとに……いけなかったわ。
諏訪 そうじゃないわ。母さんが、悪かったの、御免なさいね。さ、もう……(ハンカチを出して渡す)あなた達にそう言われると母さんが困るじゃないの。妾はみんなの為にいいようにって考えただけなのよ。ほんとに何うすればよかったんでしょうね。こんな気持じゃァとても明日の晩は舞台で踊れやしないわ。どうしようかしら……。でももう、止めるわけにはゆかないし……。
未納 可哀そうに……。この家を出て行って、あの人一体何処へ行くんでしょう。あの人は、やっぱり妾の仲良しだわ。(泣き出す)心配だわ。
諏訪 泣かないで頂戴。さあ、二人共どうしたの、元気を出して頂戴。妾はまた何故あんなに腹を立ててしまったんだろう。そんな風に腹を立てることなんか無かったのに……。
未納 悪い人なんかじゃァないわ。みんなに、(しゃくり上げて)みんなに黙って行って了うなんか、あの人がいい人の証拠だと思うわ。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] あの人と、結婚しないなんて……言ったけれど悪かったわ。ほんとに。
未納 そ
前へ
次へ
全102ページ中101ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
森本 薫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング