「どうも遅なり[#「遅なり」は底本では「遅なわり」]まして。」
「遅いね!」と、スクルージは繰り返した。「実際、遅いと思うね。まあ君ここへ出なさい。」
「一年にたった一度の事で御座いますから」と、ボブは桶の中から現われながら弁解した。「二度と[#「二度と」は底本では「二廣と」]もうこんな事は致しませんから。どうも昨日は少し騒ぎ過ぎたのですよ、旦那。」
「では、真実《ほんとう》のところを君に云うがね、君」と、スクルージは云った。「俺《わし》はもうこんな事には一日も耐えられそうにないよ。そこでだね」と続けながら、彼は床几から飛び上がるようにして、相手の胴衣《チョッキ》の辺りをぐい[#「ぐい」に傍点]と一本突いたものだ。その結果、ボブはよろよろとして、再び桶の中へ蹣跚《よろめき》き込んだ。「そこでだね、俺は君の給料を上げてやろうと思うんだよ。」
ボブは顫え上がった。そして、少し許り定規の方へ近寄った。それで以ってスクルージを張り倒して、抑え附けて、路地の中を歩いている人々に助けを喚んで、狭窄衣でも持って来て貰おうと咄嗟に考えたのである。
「聖降誕祭お目出とう、ボブ君!」と、スクルージは相手
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