ータアを見上げながら腰掛けていた。母親と娘達とは一生懸命に針仕事をしていた。が、確かに彼等は非常に静かにしていた。
「『また孩子《おさなご》を取りて、彼等の中に立てて、さて‥‥』」
 スクルージはそれまでどこでこう云う言葉を聞いたことがあるか。彼はそれまでそれを夢に見たこともなかった。彼と精霊とがその閾を跨いだ時に、その少年がその言葉を読み上げたものに違いない。だが彼はどうしてその先を読み続けないのか。
 母親は卓子の上にその仕事を置いて、顔に手を当てた。
「どうも色が眼にさわってねえ」と、彼女は云った。
 色が? ああ、可哀そうなちび[#「ちび」に傍点]のティムよ!
「もう快《よ》くなりましたよ」と、クラチットの主婦《かみ》さんは云った。「蝋燭の光では、黒い物は眼を弱らせるね。私は、阿父さんがお帰りの時分には、どんな事があっても、どんよりした眼をお目にかけまいと思ってるんだよ。そろそろもうお帰りの時分だね。」
「過ぎた位ですよ」と、ピータアは前の書物を閉じながら云った。「だが、阿父さんはこの四五日今までよりは少しゆっくり歩いて戻ってらっしゃるようだと思いますよ、ねえ阿母さん。」
 彼
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