すると、ついそっちが面白くなって……。今のところじゃあ、あのふたりと蝶々の一件とが結び付いているような、離れているような……。親分はどう鑑定しますね」
「おれにもまだ判断が付かねえ」と、吉五郎はしずかに煙草をくゆらせた。「それから火の番の藤助というのはどうした。これも帰らねえか」
「帰って来ません。こいつは確かに蝶々に係り合いがあると睨んでいるんですが……。なにしろ忌《いや》にこぐらかっているんでね」
「どうで探索物はこぐらかっているに決まっているから、まあ落ちついて考えて見なけりゃあいけねえ」
吉五郎はつづけて煙草を喫《す》った。留吉も煙管筒《きせるづつ》を取り出した。親分と子分は暫く無言で睨み合っていると、その考えごとの邪魔をするように、町内の午祭りの太鼓の音が賑やかにきこえた。
「幸之助はその晩から自分の家《うち》へ帰らねえのか」と、吉五郎は煙管をはたきながら訊いた。
「これも帰って来ないようです」と、留吉は答えた。「わっしに捕まりそうになったので、どこへか姿を隠したと見えますよ」
「だが、幸之助はともかくも侍だ。火の番の親爺とは身分が違うのだから、姿を隠したままで済む訳のもの
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