。片輪の子ほど可愛いとかいって、親たちが甘やかし過ぎたのが悪かったんです。辰公も吟味中、町内預けになっていたんですが、いつか抜け出して行って、富士裏の森で首を縊《くく》って死んでしまいました。そうなると、又その幽霊が出るとかいうのでひと騒ぎ、世の中に怪談の種は尽きないものです」



底本:「時代推理小説 半七捕物帳(四)」光文社文庫、光文社
   1986(昭和61)年8月20日初版1刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:しず
2000年1月4日公開
2004年3月1日修正
青空文庫作成ファイル:
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