たしは或る機会から、この半七老人と懇意になって、赤坂の隠居所へたびたび遊びに行くようになった。老人はなかなか贅沢《ぜいたく》で、上等の茶を淹《い》れて旨い菓子を食わせてくれた。
その茶話《ちゃばなし》のあいだに、わたしは彼の昔語りをいろいろ聴いた。一冊の手帳は殆ど彼の探偵物語でうずめられてしまった。その中から私が最も興味を感じたものをだんだんに拾い出して行こうと思う。時代の前後を問わずに――
底本:「時代推理小説 半七捕物帳(一)」光文社文庫、光文社
1985(昭和60)年11月20日初版1刷発行
1997(平成9)年3月25日20刷発行
入力:A.Morimine
校正:原田頌子
2001年4月13日公開
2004年3月1日修正
青空文庫作成ファイル:
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