中国怪奇小説集
子不語
岡本綺堂

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)清《しん》の

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)正直|律義《りちぎ》の人間であるので、

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)一羽の※[#「休+鳥」、第4水準2−94−14]※[#「留+鳥」、第4水準2−94−32]《きゅうりゅう》
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 第十四の男は語る。
「わたくしは随園戯編と題する『子不語』についてお話し申します。
 この作者は清《しん》の袁枚《えんばい》で、字《あざな》を子才《しさい》といい、号を簡斎《かんさい》といいまして、銭塘《せんとう》の人、乾隆《けんりゅう》年間の進士《しんし》で、各地方の知県をつとめて評判のよかった人でありますが、年四十にして官途を辞し、江寧《こうねい》の小倉山下に山荘を作って小倉山房《しょうそうさんぼう》といい、その庭園を随園と名づけましたので、世の人は随園先生と呼んで居りました。彼は詩文の大家で、種々の著作もあり、詩人としては乾隆
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