すが、今夜はけっして睡るまい、そうして、このすべての不思議なことについて何かの発見をしようと決心しました。
 間もなくクラリモンドは夜の服を着てはいって来ましたが、服をぬぐとわたしの寝台に這い上がって来て、私のそばに横になりました。彼女はわたしが寝ていることを確かめると、やがてわたしの腕をまくりました。そうして、髪から黄金のピンを抜き取ると、低い声で言いました。
「一滴……ほんの一滴よ。この針のさきへ紅玉《ルビー》ほど……あなたがまだ愛して下さるなら、わたしは死んではならないわ。……ああ、悲しい恋……。あなたの美しい、紫色の輝いた血をわたしは飲まなければならない。お寝《やす》みなさい、わたしの貴い宝……。お寝みなさい、わたしの神様、わたしの坊ちゃん……。わたしはあなたに悪いことをするのではないのよ。わたしは永久に失《な》くならないように、あなたの生命《いのち》を吸わなければならないのよ。わたしはあなたをたいへんに愛していたので、ほかの恋びとの血を吸うことに決めていたの。しかし、あなたを知ってからは、ほかの人たちは忌《いや》になったわ……。ああ、綺麗な腕……。なんという円《まる》い、なん
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