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爾薩待(うなだれる)
(農民等 黙然《もくねん》)
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農民二(ややあって)「いま、もぐり歯医者でも懲役《ちょうえき》になるもの、人|欺《だま》して、こったなごとしてそれで通るづ筈なぃがべじゃ。」
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爾薩待(いよいよしょげる。)
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農民二「六人さ、まるっきり同じごと言って偽《うそ》こいで、そしてで威張って、診察料よごせだ、全体、何の話だりゃ。」
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爾薩待(いよいよしおれる)
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農民一(気の毒になる)「じゃ、あんまりそう言うなじゃ、人の医者だて治るごともあれば、療治|後《おく》れれば死ぬごともあるだ。あんまりそう言うなじゃ。」
農民三「まぁんつ、運悪がたとあぎらめなぃやなぃな。ひでりさ一年かがたど思たらいがべ。」
農民四「全体、みんな同じ陸稲だったがら悪がったもな。ほがのものもあれば、治る人もあったんだとも。あっはっは。」
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