早いんだ。やっぱり草が青くならないとな。おい。小《ぴゃっ》こ、さよなら。」若い木霊は大分西に行った太陽にひらりと一ぺんひらめいてそれからまっすぐに自分の木の方にかけ戻りました。
「さよなら。」とずうっとうしろで黄金《きん》色のやどり木のまりが云っていました。



底本:「ポラーノの広場」新潮文庫、新潮社
   1995(平成7)年2月1日発行
   1997(平成9)年5月25日3刷
※「木霊」と「木魂」の混在は、底本通りです。
入力:土屋隆
校正:うてな
2005年3月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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