ポラーノの広場
宮沢賢治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)俸給《ほうきゅう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)年|老《よ》りの
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)恭※[#二の字点、1−2−22]しく
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前十七等官 レオーノ・キュースト誌
宮沢賢治 訳述
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そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給《ほうきゅう》もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。殊にそのころ、モリーオ市では競馬場を植物園に拵《こしら》え直すというので、その景色のいいまわりにアカシヤを植え込んだ広い地面が、切符売場や信号所の建物のついたまま、わたくしどもの役所の方へまわって来たものですから、わたくしはすぐ宿直という名
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