世界自身の発展であつて決して畸形に涅[#「涅」に「ママ」の注記]ねあげられた煤色のユートピアではない。
三[#「三」は「□」囲み]これらは決して偽でも仮[#「仮」に「ママ」の注記]空でも窃盗でもない。
[#ここから2字下げ]
多少の再度の内省と分折[#「折」に「ママ」の注記]とはあつても、たしかにこの通りその時心象の中に現はれたものである。故にそれは、どんなに馬鹿げてゐても、難解でも必ず心の深部に於て万人の共通である。卑怯な成人たちに畢竟不可解な丈である。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
四[#「四」は「□」囲み]これは田園の新鮮な産物である。われらは田園の風と光の中からつやゝかな果実や、青い蔬菜を[#「を」に「ママ」の注記]一緒にこれらの心象スケツチを世間に提供するものである。
[#ここから4字下げ]
注文の多い料理店はその十二巻のセリーズの中の第一冊で先づその古風な童話としての形式と地方色とを以て類集したものであつて次の九編からなる。
[#ここで字下げ終わり]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 目次と ……………………………………………………………………その説明
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1[#「1」は「□」囲み] どんぐりと山猫《やまねこ》
  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[#ここから2字下げ]
山猫拝と書いたお[#「お」に「ママ」の注記]かしな葉書が来たので、こどもが山の風の中へ出かけて行くはなし。必ず比較をされなけれは[#「は」に「ママ」の注記]ならないいまの学童たちの内奥からの反響です。
[#ここで字下げ終わり]
  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2[#「2」は「□」囲み] 狼森《おいのもり》と笊森《ざるもり》と盗森《ぬすともり》
  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[#ここから2字下げ]
人と森との原始的な交渉で、自然の順違二面が農民と[#「と」に「ママ」の注
前へ 次へ
全4ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮沢 賢治 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング