《さつま》の壮士に擁せられ。義理でもない義理にからまれて。心にもなく叛賊《はんぞく》の汚名を流したは。守るところを失なったといわざるを得ずだ」少し小声にて m《エム》 も大分持ち出したそうだ。このごろは婆々にめしあげられて。いよいよつきだされたかもしれない。そうしてみると浜子さんはいよいよかあいそうだ。と場しらずの物語に。人々は目と目を見合わするのみ。いらえさえするものなければ。ようやくに心づきごまかしかたがた酒興に乗じ。かねて覚えの謡曲《うたい》一節《ひとふし》うたい出でたるおりから。
宮崎「実に姻縁《いんえん》は不思議なもので。愚妻などもかねてより近くは致しおりましたが、こうなろうともおもいませず。また君には……。ウーンあんなこんなかねて期せざる御縁辺はお互いにネ。
勤「さよう今までのことをかんがえると随分小説めくで。今夜の祝宴なんぞは。かのめでたしめでたしとやるところだ」と語る声斎藤の耳に入りたれば。大きな声にてめでたしめでたし。
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附けて言う。松島葦男はその後大学に入り。工学を修め。卒業の後。ある一大土木の工を督し。人に名を知らるるに至り。後に宮崎一郎の
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