。 艨艟《まうしやう》旗《はた》を捲《ま》きて北《に》ぐ。
逃《のが》るゝ鯨※[#「魚+王の中の空白部に口が四つ」、第3水準1−94−55]《げいがく》、追《お》ひ行《ゆ》く飛龍《ひりう》!。 飛龍《ひりう》は勇《いさ》み鯨※[#「魚+王の中の空白部に口が四つ」、第3水準1−94−55]《げいがく》は。
 青息《あほいき》ならぬ黒烟《こくえん》を。 吐《は》きて影《かげ》をば隱《かく》しけり。

かの鯨※[#「魚+王の中の空白部に口が四つ」、第3水準1−94−55]《げいがく》ぞ、天《てん》の涯《はて》。 はた地《ち》の角《かく》に至《いた》る迄《まで》。
 凡《およ》そ波濤《はたう》の打《う》つところ。 凡《およ》そ珍寳《ちんぽう》の在《あ》るところ。
山《やま》なす浪《なみ》を船《ふね》となし。 千里《せんり》の風《かぜ》を帆《ほ》となして。
 跳梁跋扈《てうりやうばつこ》厭《あ》き足《た》らぬ。 かの歐洲《をうしう》の聯合艦隊《れんがふかんたい》※[#感嘆符三つ、50−8]

飛龍《ひりう》[#ルビの「ひりう」は底本では「ひりよう」]は何《なに》ぞ、東洋《とうやう》の。 鎖鑰《さ
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