せられるものにぶつかってみたいと思うことは、そりゃあたし達にだって、ちゃんとあるわ。」
○「流行なんてつまんないと思うんだけれど、やってみれば悪い気持もしないものね。」
○「第一、朗《ほがら》かにしなくっちゃ損《そん》じゃなくて。」
○「いざとなって決心すりゃ、裸のモデルにでも平気でなれますわ。そして食べて行きますわ。」
○「あたし達に向ってはっきりした考えを言えと言ったって、そりゃ無理ですわ。まだまだいろいろ経験してから考えを決め度《た》いと思って居《い》るんですもの。」
○彼女の笑いは、全く自然に見えるほど洗練《せんれん》されている。けれども彼女は、腹の底から笑った味を知らない。
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底本:「愛よ、愛」メタローグ
   1999(平成11)年5月8日第1刷発行
底本の親本:「岡本かの子全集」冬樹社
   1976(昭和51)年発行
※「慥《こしら》えた」の表記について、底本は、原文を尊重したとしています。
入力:門田裕志
校正:土屋隆
2004年3月30日作成
青空文庫作成ファイル:
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