持つ重々しい力の感じはこの作に於て表現されてゐる。

       ×

 文藝城、新思潮、眞晝、葡萄園、山繭、驢馬等、目星しい同人雜誌の十二月號の出ないのはどうしたことか。

       ×

 凡そ同人雜誌は、新しい藝術の苗床であり花床でなければならない。然も今日多數の同人雜誌、同人雜誌作家の大部分は今尚今後幾度のメタモルフオーゼを行はなければ、その發芽にも至らぬやうに思へる。

       ×

 漠然とした新人なるものはあり得ない。



底本:「梶井基次郎全集 第一卷」筑摩書房
   1999(平成11)年11月10日初版第1刷発行
初出:「青空」
   1927(昭和2)年1月号
入力:土屋隆
校正:高柳典子
2005年5月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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