り、探ねあかしたが、かいくれ行方がしれぬので、まったく死んだのか、それとも自分がどうかしているのかと思って、お宅まで問合《といあわ》せに来たと語ったのから、大騒ぎになったともうします。全く水に落《おち》て死んだので、その日死体があがったと言います。父が見に行きました時、下むきになっていましたが、丁字髷《ちようじまげ》は乱れて、小肥《こぶと》りの肩から、守袋《まもりぶくろ》の銀ぐさりをかけていたということで御座《ござ》います。
底本:「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」ちくま文庫、筑摩書房
2007(平成19)年7月10日第1刷発行
底本の親本:「怪談会」柏舎書楼
1909(明治42)年発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2007年11月20日作成
青空文庫作成ファイル:
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