當世流に修正してくれる。さうなると、頭だけが借用物のやうで、そんなのを見るたびに、背中へ羽蟲が飛んではいつたやうにムヅムヅする。
 先日、朝日新聞に出てゐた、波を切る海豚《いるか》の寫眞のやうな好い寫眞――巧くとれて、それでゐて、海豚はいるかの美しさを見せてゐる、あんなふうな自分の顏にお目にかかりたいものだと思つてゐる。
[#地から1字上げ]――十三年七月一日・アサヒカメラ――



底本:「隨筆 きもの」實業之日本社
   1939(昭和14)年10月20日発行
   1939(昭和14)年11月7日5版
初出:「アサヒカメラ」
   1938(昭和13)7月1日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年1月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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